キレイな海を探す冒険旅行ブログ

海の魅力に取り付かれ、毎年夏になると綺麗な海を探す旅に出る。今日は東か明日は北か、ボロワゴンに地図とカメラと自転車を積んで、さあ出発だ!

南紀白浜が綺麗な理由を考えてみた

どこの旅行会社が日本の海ベスト5を選んだとしても、入るであろう南紀白浜。
主には、本州で一番早い海開き(5月上旬)をする白良浜海水浴場の事を指していますが、

その近辺にも臨海浦、江津良という2ヶ所の海水浴場もあり、
数ヶ所で温泉が出ており、近隣にパンダのいるアドベンチャーワールド、三段壁、千畳敷、海中展望塔があり、珍スポットとして有名な白浜美術館や歓喜神社もあり
自動車での交通アクセスは悪いが、南紀白浜空港があり人を呼べるような観光地になっています。

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汐の流れとか、外海に面しているとか地理的に有利かもしれませんが、
ある程度人が住んでいたりホテルや旅館が沢山あると
生活排水などで川は汚れ海も汚れるものです。

しかし白良浜海水浴場は本当に綺麗です。
旅行会社がベスト5以内に選ぶのもウソではありません。

わずか5キロ四方にも満たない突き出た半島の観光地がこれほどまで人気があるのはなぜだろうか、

昔からの温泉地なので温泉が人気かとも思ったのだが、
泉質は良いと思うが、もう10キロほど南にある椿温泉の方が泉質はさらに良いと思う。
温泉目当ての人なら椿温泉に行くのではなかろうか。

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以前この地に行き、炊事などは自分で行う素泊まり旅館に一泊し、
1日かけて自転車でこの地を巡り、見てまわった結果、ある結論に至る。

まず、素泊まりなので旅館のご主人と顔を合わせたのはチェックインとチェックアウトの時だけ、しかも簡単な挨拶と自己紹介をした程度。
旅行から帰って数日後、葉書が一枚届いた。泊まった旅館のご主人からだった。
手書きで丁寧にお礼の文言と事故なく無事に帰れたでしょうか、のような事が書いてあった。これにはちょっと驚いた。
後日、旅館から営業の手紙が来る事はよくあるが、帰路を心配してくれた手紙は初めてだった。素泊まりで4千円程度の宿に一泊しただけなのにここまで礼を尽くしてくれるとは思ってもいなかった。

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海を沢山回っていると思う事だが、海は毎日汚れる。波に乗ってゴミや流木や何だか分からない意味不明な物や、心ない人によるゴミの投棄や飲み終わったペットボトル、空き缶、などが氾濫する。
しかし、白良浜にはそれがない。砂浜は白く、海は透き通るように青い。

この状態を年間に渡って維持するのは並大抵ではないと思う。

いくら地元の人や旅館の人が交代で清掃活動をしても限度があるのでは?と思う。

それを克服できるだけの何か、ここには絶対何かある...と思っていたら...

やっぱりあった。

 

その答えは「南方熊楠記念館」にあるのではないか

「南方熊楠」(みなかたくまぐす)は学校の教科書に載っているような人ではないので知らない人の方が多いかもしれない。熊野古道が世界遺産になった際に度々テレビにその名前が出てきました。

私もNHKの番組で見て初めて知った程度ですが、
生物学者で新種の生物を発見したり、人と自然が共存するエコロギー(エコロジー)の考えを最初に唱えた人だそうです。
例えば南方さんの人となりについて説明しますと、
南方が生きた明治から昭和初期の時代、日本各地にまだ「鎮守の森」がありました。
人々が何百年も村単位で大切に守ってきた聖域であるにもかかわらず。
明治の時代になり「神社合祀」の名の下、あまたの「鎮守の森」が消えていきました。
「鎮守の森」では何百年も切り倒される事のなかった大木が切り倒され、建築材料や汽車の線路の枕木などにされました。
そういった人の欲や利権の為に、育まれてきた生物の生態系「鎮守の森」が消えてゆくのを防ごうと先頭に立って活動された方だと記憶しています。

 

「南方熊楠記念館」へ行くと地元の方々から今でも敬われているのが良くわかります。

経済的な豊かさを手に入れる為に浜を埋め立てて工業地帯にしてしまった海岸だって沢山ある。

結局は人です。自らのいる場所に誇りを持ち、この場所を守って生かす。

白良浜の砂浜や水がこんなに綺麗なのは地元の皆さんや旅館の方々がこの場所を愛し、いつも綺麗であって欲しいと心から思い、清掃活動をされているからではないでしょうか。

環境を保ち維持していく活動は「南方熊楠」のエコロギーの考えがこの地にしっかり根付いているからではないかと思います。
そして、いつでも番所山から南方さんが見守っていてくれるという心強さ、安心感もあるのではないかとも思います。

この海はいつまでも変わらない海であって欲しいものです。

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※地図

より大きな地図で 南紀白浜が綺麗な理由を考えてみた を表示

 

 

※この記事は私個人(外部の人間)が見て思った、あくまで仮説です。

 

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